こんにちは!今回は、磁気探傷試験レベル2(MT2)の「標準試験片及び対比試験片について」まとめてみました。
標準試験片、対比試験片は全部で5種類あり、それぞれの特徴を抑えることがポイントとなります。
この内容は、計算もなく、暗記のみで回答が可能であり、実際の試験で2~3問は出題されます。また、磁気探傷試験の実務経験がある人はイメージしやすいため、しっかりと試験に向けて暗記してしまいましょう!
実際の過去問や問題集の問題で記載されている内容が理解できるようにまとめていますので、暗記が苦手な方については、大事な部分を赤字で示していますので、赤字部分だけを繰り返し確認するようにしてください!
試験片の種類と使用目的
1 A型標準試験片、C型標準試験片
・磁粉探傷試験の総合性能試験の評価
・装置、磁粉、検査液の性能、試験面の磁界の強さ・方向
・試験操作の適否
・磁化電流値を設定
2 B型対比試験片 、対比試験片タイプ1 、対比試験片タイプ2
装置、磁粉、検査液などの性能を調べる
A型標準試験片
・薄い電磁軟鉄板の片面に溝を作ったもの
・直線のものと、円形のものがある。
・直線:限定された方向の磁界の強さ及び試験性能を調べる
・円形:磁界の方向、強さ、試験性能を調べる
・特徴
①連続法で使用する必要あり
②磁粉模様は試験体表面の磁界の強さに左右される
→試験体の材質及び試験片と試験体の接触状態の影響もうける
③同類で溝の深さと板の厚さとの比が等しい試験片同士は、限界の磁界の強さが等しい
④磁粉模様が現れる磁界の強さ 2類 > 1類
→磁粉の特性および適用の仕方によって磁界の強さが異なるため、事前に確認しておく。
・使用方法
試験体の試験面と試験片が密着するようにテープ等で試験面に固定する(溝がついてる面を試験面につける)
貼り付け面は有機溶剤でよく脱脂し乾かしておく
・一般的注意事項
入手初期の形状・寸法(特に溝)、材質に変化があったら使用不可
使用後は有機溶剤で洗浄、試験面を指先で触れないよう、ふき取り、乾燥後、防錆剤を塗布して湿度の低いところに保管
C型標準試験片
・A型が使えない場所(溶接部の開先面などの狭い部分)で用いる
・特徴
①C1とC2がある。両方電磁軟鉄。
C1は純鉄を焼きなまししたもの。
C2は純鉄の冷間圧延のままのもの
②板の厚さは50μm 、溝の深さ8±1μm
③C1 = A1-7/50
C2 = A2-7/50
④使い捨て
⑤分割線に従い、5mm-10mmの小片にする。もとは50mm-10mm
⑥人口きずがある面を試験面に密着するようにし、両面テープ、接着剤で張る
→両面テープは100μm以下でなければならない
⑦連続法で使用
⑧使用上の注意は基本的にA型と同じ
B型対比試験片
・特徴
材質:電磁軟鉄棒と同様のもの
形状:円筒
内部きずがある
・使用方法
中心の孔に電流貫通法で磁化を行い、磁粉を連続法で適用する。
→探傷装置、磁粉及び検査液の性能を調べる
・表面きずの検出性能を確認する場合は、B型対比試験片の中心にA型標準試験片を張り付けて用いる
対比試験片タイプ1
・特徴
グラインダがけ又は応力腐食割れによって割れを発生させたもの
材質は鋼(90MnCrV8相当)
磁粉の形式試験およびバッチ試験に用いる
電流貫通法によって(最初のみ)磁化して永久磁石にする 。以降、磁化は不要となる。
形状は円筒状
磁粉模様を写真と比較し、変化があれば不合格とする
対比試験片タイプ2
・特徴
外部からの磁化は不要
2本の鋼棒と2つの永久磁石で構成する
磁粉の形式試験およびバッチ試験 に用いる
試験片の両端から始まった磁粉模様が長いほど、性能が良い
長さは左右の長さを合算する
長さの変化があれば、不合格
+4マークは+100A/m、ー4マークはー100A/mを示すように構成して使用する
まとめ
最初にも書いたとおり、内容が多いです。しかし、5種類の特徴およびそれぞれの違いを抑え、暗記するだけで、実際の試験でも回答することができますので、繰り返し確認し、覚えてしまいましょう!
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